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研究会のテーマと概要

第19期(2016~2018年度)

研究会研究課題・代表者・概要
第1研究キリスト教と日米地域社会の形成
代表:吉田 亮(社会学部)
1980年代以降とだえかけていた人文研における教会研究の流れを復活させる。資料収集や研究の達成状況を把握した上で、今日的視点から地域の教会設立・伝道史を再考し、当該研究領域の再生を図る。一方、継続的に行われてきた移民史研究であるが、今回は、第二次大戦期のアメリカを舞台に、日系キリスト教団体による収容所「外」での日系移民二世教育活動について、地域社会との関係を視野に入れて考察する。
以上2方向の研究成果を、個別分散的な研究に終わらせることなく、「キリスト教」「地域社会」という共通のキーワードによって結び付け、両者の比較史的な検討を通じ、今後の「キリスト教社会問題研究会」全体としての課題設定の足掛かりとすることが目標である。

研究会研究課題・代表者・概要
第2研究同志社社会事業史の発展的研究―その源流と水脈―
代表:木原 活信(社会学部)
第18期の研究の延長線にあり、それを「発展的」に探求する。人文研キリスト教社会問題研究は、『留岡幸助著作集』、『山室軍平の研究』、『石井十次の研究』等、で成果を生み出してきた。そこでは、著名な人物を詳細に検討していく方法論に基づく研究であった。そこで起こってきた問いとして、なぜこれほどまでの量と質を有する社会事業史上の人材が同志社から生まれ出たのか。これをリサーチクエスチョンとして捉えて研究をすすめる。その意味で、本研究は、特定の著名人だけを取り上げるのではなく、同志社関連の社会事業家を幅広く視野に入れ、これまで等閑視されてきた作業に取り組み、上記の謎に迫ろうとするものである。そして、18期の基礎的成果を生かして、それぞれの人物が同志社全体のなかで、あるいは社会福祉学科の形成にいたるまでにどのような影響を与えていったのかを明らかにしていきたい。

研究会研究課題・代表者・概要
第3研究東アジアキリスト教伝道史基礎アーカイヴズの研究
代表:原 誠(神学部)
第18期研究会として手がけていた「新島襄関連英文書簡」の解読を完結させ、『新島襄全集』を補完するものとしての公刊を実現する。とともに、そこで明らかになった諸事実を単に「同志社史」「新島伝」の範疇に収めてしまわず、アメリカン・ボード日本伝道史の一環と捉え、さらには「東アジアプロテスタント伝道史」という大きな枠組から位置づけていくことを目標に掲げる。そのために、中国・朝鮮・台湾・東南アジア諸地域などにおける近代キリスト教伝道史・思想史との比較・連鎖史的検討を具体的な課題とする。以上の観点から、東アジアにおけるプロテスタント伝道に関わる基礎資料の所在の現状についての調査を広く実施し、関連研究機関との国際交流も積極的に進める。

研究会研究課題・代表者・概要
第4研究古典籍の保存・継承のための画像・テキストデータベースの構築と日本文化の歴史的研究
代表:福田 智子(文化情報学部)
本研究は、同志社大学が所蔵する日本の古典籍を主たる対象として、独自に開発した文字情報と画像情報を統合した閲覧・分析システムTIRAMiS " Toolbox for Image Resource Annotation ManagIng System"を使用することによりデータベースを作成し、それを用いて、埋もれた日本文化を発掘・保存するとともに、その歴史的研究を行うものである。
 研究対象は、文学作品(和歌・物語)と芸道伝書(香道・茶道・華道)を二つの柱とし、毎月一回のペースで、それぞれの部会(筑紫平安文学会・千種香の会)にて研究会を行う。また、夏期休暇中には全体集会を行い、部会での研究成果を共有し、また、情報科学と連携した文化研究のあり方を探る。

研究会研究課題・代表者・概要
第5研究生きるための環境をめぐるマニュアルの社会史
代表:服部 伸(文学部)
本研究は、西洋と日本において、伝統社会から、近代社会を経て、現代社会に至るまでのさまざまな時代に編まれた、生きるための環境に関する「マニュアル」の内容を文化的・社会的側面から分析することを通して、人びとが身体及び環境についてどのような意識をもっていたのかを、その時代・地域の歴史的文脈と関連づけつつ、比較史的に考察する。そのさい、とくにマニュアルに含まれる「イデオロギー性」と「操作性」に注意を払う。同時に、この研究を通して、いかに生きるべきかという指針を求めて人びとがさまよう現代社会の特質がどのようにして生成されてきたのかを解明し、その中で生きることの意味を再確認するための素材を提供する。

研究会研究課題・代表者・概要
第6研究ASEAN共同体の研究:自然資源開発、一次産品貿易と海洋権益をめぐる政治経済学
代表:林田 秀樹(人文科学研究所)
本研究会の目的は、ASEAN経済共同体に関連して、域内外諸国間の自然資源開発、一次産品とその加工品の貿易、並びに海洋権益をめぐっての相克が、どのようにASEAN共同体全体の運営に影響を及ぼすかについて学際的・実証的に解明することである。具体的には、以下の諸事項について調査するとともに、各事項がASEAN共同体の運営に与える影響について解明することを目指す。
(1) ASEAN加盟諸国の自然資源開発、一次産品貿易の現状と制度・政策
(2) ASEAN域内での製造業部門の供給連鎖形成とASEAN共同体制度の利用、及びその一次産品需要への影響
(3) 南シナ海上で生じているASEAN加盟国-中国間の権益衝突
(4) 海底資源、漁業資源をめぐるASEAN加盟諸国間の権益衝突
(5) ASEAN経済共同体の制度とその中での自然資源・一次産品の位置づけ
調査研究はメンバー各自か、もしくは任意のサブ・グループで行い、定例研究会でその成果を交流し、共同研究としての成果形成を目指す。

研究会研究課題・代表者・概要
第7研究衣食住文化からみた解放前後の日韓関係
代表:板垣 竜太(社会学部)
本研究は、朝鮮半島(戦前の朝鮮、戦後の南北朝鮮を合わせて地域名称としてこのように呼ぶ)と日本との関係(「日韓関係」と呼ぶ)を、衣食住を中心とする生活文化に注目して明らかにするものである。対象地域は朝鮮半島と日本列島にまたがるが、後者については在日朝鮮人社会など前者と関連のある領域に限定して研究する。時代は、日本によって朝鮮が植民地化されていた時代から戦後の1960年代までを視野に入れるが、そのなかでも激動期であった1940~50年代を重点的に研究する。日韓関係といえばとかく政治外交が中心になって語られがちであるが、本研究は一般の人々(民衆)の経験と認識に接近するために生活文化に注目する。そのことによって、多様な日韓関係のあり方を歴史的に究明することを目的とする。

研究会研究課題・代表者・概要
第8研究転換期のデモクラシー ―「戦後民主主義」に関する歴史的・理論的研究―
代表:出原 政雄(法学部)
本研究会は「戦後民主主義」を理論的及び歴史的に検討することを目的にして、以下の3つの課題を視野において共同研究に取り組むことにしている。第1に、戦後知識人たちの「戦後民主主義」論に焦点を合わせながら、「戦後民主主義」の類型化を考えたい。第2に、「戦後民主主義」を維新以来の近代日本の民主主義の展開の中に位置づけ、その歴史的特質を明らかにしたい。第3に、現在の種々の民主主義理論が「戦後民主主義」の解明にどの程度有効かどうかを検討したい。毎月(8月を除く)原則として第4金曜日に研究会を開催する予定にしている。

研究会研究課題・代表者・概要
第9研究ランドマーク商品に関する国際比較研究―インフラ・所得・ライフスタイル―
代表:川満 直樹(商学部)
本研究会では、商品が我々の生活や社会に与えた影響について検討する。検討する際の概念として「ランドマーク商品」を使用する。ランドマーク商品については、すでに研究蓄積(主に日本)があるため、それらを基礎として新たなテーマであるランドマーク商品研究の国際比較を試みたい。具体的には、インフラ整備、所得水準の推移、伝統的ライフスタイルの三つの分析視点を中心に日本、ヨーロッパ、アメリカならびにアジア諸国での商品と社会の関係などについて検討する。
 本研究会は、定例研究会を年間7回(原則として4月・5月・6月・7月・10月・11月・12月)を開催する。参加者は年1回の研究報告を行い、相互に議論し『社会科学』やその他への投稿原稿を作成する。また、日本あるいは日本以外の国や地域でのランドマーク商品の影響等を確認するため現地調査を実施する予定である。

研究会研究課題・代表者・概要
第10研究歴史学の成り立ちをめぐる基礎的研究―現場と公共性―
代表:小林 丈広(文学部)
本研究は、人文科学の社会貢献のあり方を考える手がかりとして、歴史学と地域社会との関係に焦点を当て、その歴史的展開をさまざまな角度から検討することを目的とする。本研究においては、京都をフィールドに2006年から行われてきた京都歴史研究会の成果を受け継ぎ、新たに同志社における歴史研究の蓄積などを組み込むなど、対象を広げながら議論を深めていく。定例の研究会では、各研究員がそれぞれの現場における実践報告を行うほか、関連史料の調査や整理の成果を報告する史料調査報告などを随時行う。また、必要に応じて史料整理作業や関係者からの聞き取りなどを研究会の中で行い、その成果を報告書に反映することを目指す。

研究会研究課題・代表者・概要
第11研究ラテンアメリカにおける国際労働移動の比較研究
代表:松久 玲子(グローバル地域文化学部、グローバル・スタディーズ研究科)
本研究会は、ラテンアメリカ地域における国際労働移動を研究対象とし、ラテンアメリカ域外、域内における南→北、南→南の国際分業体制に関して比較研究する。周辺から中心(メキシコからアメリカ合衆国)、周辺から半周辺(南米からスペイン)、周辺から周辺(中米からメキシコ、ニカラグアからコスタリカ、南米からアルゼンチン)の国際労働移動に着目し、比較検討することにより、国際分業体制の側面からグローバリゼーションの構造と多様性を明らかにする。また、国際労働移動の女性化(女性の国際労働移動)に着目し、再生産領域におけるグローバリゼーションおよびジェンダー、階層、エスニシティによる国際分業における再配置を手がかりに、「複数のグローバリゼーション」の実態を明らかにする。

研究会研究課題・代表者・概要
第12研究脱植民地化と植民地主義の現在
代表:水谷 智(グローバル地域文化学部)
本研究は、20世紀半ばから後半にかけての脱植民地期における植民地主義を、日本・イギリス・オランダ・フランスの各帝国の事例を中心に、世界史的な見地から実証的に検証する。また、帝国崩壊後から現代までの植民地主義の遺産としての諸問題――紛争、レイシズム、謝罪・補償問題、歴史認識、等――を、植民地責任論や批判人種論に関する近年の議論の再検討を含めて共同で研究・議論していく。特に以下のテーマについて定例研究会を開催していく:
1.脱植民地化と暴力
2.脱植民地化および独立後の諸制度の歴史的変遷
3.植民地記憶・責任論
4.レイシズムとヘイトスピーチ

研究会研究課題・代表者・概要
第13研究歴史のなかの記憶と記憶のなかの歴史
代表:中井 義明(文学部)
本研究会のテーマは「歴史のなかの記憶と記憶のなかの歴史」である。記憶と歴史の関係性と相違を探求していく。近代における国民国家の成立は国語の制定と過去の記憶の創造、国民史の構築、そして学校教育や記念碑などを通じて国家への帰属意識の共有を推し進めてきた。近代において生じた現象は古代においても中世においてもアナロジーとして生じていた。ポリスやエトノス、ナティオなどの枠組みの中で過去の記憶が創作され帰属意識形成に利用されたのである。記憶の相対化を通じて歴史が構築されていくが、それは主観的過去との決別でもある。本研究会はそのような現象を探求し、記憶と歴史の関係性を明らかにするものである。
基本的には年間8回程度の研究報告会を実施し、夏期などの休暇中は海外での調査や報告を予定し、外国の研究者を交えた公開講演の開催と外国語による成果報告の出版を考えている。

研究会研究課題・代表者・概要
第14研究防災・減災と回復力に関する政府間関係制度におけるリスク・ガバナンスの構築
代表:新川 達郎(政策学部、総合政策科学研究科)
本研究は、防災・災害対策のためのガバナンスについて、リスク・マネジメントとクライシス・マネジメントの双方の機能を充足するリスク・ガバナンス体制の現状と課題を明らかにするとともに、その機能条件を探求することを目的とする。リスク・ガバナンスは、現代社会においてあらゆる組織・機関が備えなければならない体制であるが、同時に、大規模自然災害が想定される日本にあっては、とりわけ中央政府と地方政府そしてその政府間関係制度において、マルチ・レベル(重層的)に機能すること、またマルチ・ラテラル(水平的)に機能することが期待される。こうしたリスク・ガバナンスの構造と機能を解明するとともに、現在の防災・災害対策の体制を実証的に検証しそのガバナンスの課題を明らかにすること、そしてその分析結果に基づいて今後の防災・災害対策の在り方について具体的な方向を検討したい。

研究会研究課題・代表者・概要
第15研究京都のくらしと「まち」の総合研究
代表:西村 卓(経済学部)
京都独特の地域社会やコミュニティ組織の変容、エスニック・マイノリティや社会的周縁層の生活および居住問題、「京都=文化・学術都市」という位置づけの要因である、観光や教育、そしてまちづくり実践京都の人びとの「くらし」に密接に関わる、老舗や農産物直売などを主な研究対象とする。3年間の研究期間内において、定例研究会での研究交流だけではなく、フィールドワークを実施し、ゲスト講師の助けも受け、研究目的の達成を目指す。

研究会研究課題・代表者・概要
第16研究カルチャー・ミックス ―アメリカ文化研究への呼びかけと「妙」のEco美学的考察
代表:岡林 洋(文学部)
《「妙」のエコ美学的考察》がこの研究会のメインテーマです。ここで研究の対象となっている「妙」のことなのですが、これは皆さんがよくご存知の文化というか、宗教的な行事に登場するものです。京都市の北部地域でお盆の時期(8月16日)に繰り広げられる「五山の送り火」には「妙・法」が夜空に輝くでしょう。「妙」はその他と違って書体も自由闊達な「草書体」をとっているし、意味も「いわく言いがたし」とかで、なんだか自由な芸術家(書家)や美学者が興味を持ちそうな雰囲気なのです。この研究会では「妙」を仏語のジュヌセクアと翻訳するものと考えています。一方、エコ美学の特に「エコ」の部分でこの研究会でとる研究方法論が明らかにされています。それは環境保全という意味ではなく、また環境倫理の意味でもなく、むしろ生息地のに即した研究方法を行うと考えていただければ幸いです。

研究会研究課題・代表者・概要
第17研究開発主義国家戦後日本の形成・展開と社会、民衆の総合的歴史研究
占領冷戦/東アジア、1955年体制/参加と分権の政治システム、経済成長/持続的、開発/福祉、地域社会/地方自治、社会運動/社会統合
代表:庄司 俊作(人文科学研究所)
本研究の目的は、開発主義の視点で現代開発主義の形成・展開(変容)とそれに対するオールタナティブとしての民主化、持続的社会形成の動向に注目し、戦後日本の全体像を歴史的に捉えることである。1955年体制、経済成長・開発、社会運動、地域社会・地方自治、農業・農民、沖縄の6つを柱とする。①「高度経済成長と戦後日本の総合的歴史研究」の経験と成果を踏まえ、研究体制を拡大するとともに、その一層の深化を企図した研究であり、②「地域から捉える」研究方法に徹し、③調査の方法や資料活用の面で本格的な歴史研究を目指す。現代開発主義国家論など有力な戦後日本国家・社会論を受け、地を這うような虫の目線から見上げる険しい視角と歴史研究の地道な作業によって、課題として残された、戦後という時代とその社会の捉えどころのない輪郭を描き、日本の戦後を歴史化する。

研究会研究課題・代表者・概要
第18研究日本の女性と政治:‘社会’と‘個人’の結びつき
代表:Gregory Poole (国際教育インスティテュート)
出生率の低下は、日本の未来を脅かす要因になりえるのか。政策立案者は、効果に疑問を呈する提案が問題に包囲されているにも関わらず、女性が'人口における時限爆弾'であり解決方法だと考えています。私たちは世論調査を行い政策立案者への市民の価値と噌好についての情報を調達します。「Split ballot experiments」を質問に含む、若い世代へのオーバーサンプリングを行い、実際に得られた研究からの成果で問題を克服したいと考えております。この研究は、特に女性に関する政治に焦点を当てています。女性が人口増加と繋がりがあると表されているならぱ、全体においての民主主義の本質であると私たちは捉えております。

研究会研究課題・代表者・概要
第19研究経済制度と社会秩序の形成に関する理論実証分析
代表:上田 雅弘(商学部)
本研究会は経済制度や社会秩序が規範・慣習などとどのような関わりを持ちながら形成されるのか、またそれらがいかなる要因で変化していくのか、その生成や変容・崩壊の動的プロセスを解明することを目的としている。その分析手法は理論的、実証的なアプローチにとどまらず、歴史的、思想的な背景も含めた多面的な捉え方を試みる。
 具体的には、経済・社会を形成する個人の意思決定について、理論面では進化ゲームを用いた比較制度分析を用いて制度の生成や変容をモデル化する。また実証面ではベイズ統計学を生かした新たな分析手法を取り入れるとともに、実験的アプローチで人間行動の検証を行うことを念頭に置いている。こうした分析結果を歴史や経済思想の観点から多面的に検討するところに学術的な特色がある。