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研究会の活動報告一覧

第2研究 同志社社会事業史の発展的研究―その源流と水脈―
研究代表者:木原 活信(社会学部)


開催日時2017年10月30日 18時30分~20時30分
開催場所社会福祉学科資料室(渓水館1階)
テーマイエス・キリストと「同情」─『上毛教界月報』を中心に─
発表者近藤 裕樹 氏
研究会内容内 容
発表者は、これまで留岡幸助における思想基盤として「同情」の重要性を考察しており、その由来がキリスト教にある事も確認してきた。
 しかし、その由来に関して、つまり「同情」とキリスト教との具体的関係につき、聖書の文言や教義に見る必要性を深く感じた。
 今回の発表では留岡だけにとどまらず、同時代のキリスト教徒に視野を広げて上記の問題を考察するため、発表者の今一つの関心事である柏木義円、特に『上毛教界月報』(以下、『月報』)を中心に取り扱った。
 まず、『月報』に記された安中教会をはじめ各教会にて行われた説教題目に着目し、「同情」の語が用いられたり、特に「基督の同情」という題目が散見される事を指摘。
 残念ながら、「同情」という語が題目に付された説教そのものの内容を『月報』では確認できず、代わりに『月報』に掲載された論説中に「同情」を使用した文章を検索し、説教内容を類推しようと試みた。
 また『月報』論説以外に、原忠美など同時代のキリスト教徒による「同情」論もあわせて考察し、キリスト教と「同情」、キリストと「同情」という連関性は柏木等『月報』内における論理に止まらないのではないかと指摘。
 そこから見えてきた事は、『新約聖書』マタイ伝の記載(山上の垂訓など)を主に引用し、イエス・キリストが有する「同情」という人格に柏木等が着目していた事である。つまり、柏木等の理解としてキリスト教とは「同情」の宗教であると言えるのではないか、と結論付けた。

質疑応答
 人と成りしイエス・キリストにみられる「同情」という柏木義円の理解は神学的には正統派に近い印象を持ち、洗礼および影響を受けた海老名弾正とは遠い関係に思えるとの意見が出た。
 また、柏木等キリスト教徒個々において、聖書の文言(愛やあわれみ等)を敢えて「同情」と読み換えて使用するだけの何かしら思想基盤があるではないか。
 当時の一般社会で流行し使用されている「同情」と、柏木等が聖書を用いて説いた「真」の「同情」との差違に注目する必要があるのではないか。
 流行し馴染み深い「同情」という語を使用する事により、人々の聖書理解を容易にする作用もあったのではないか、など示唆に富む意見が多数出された。

協議事項
同志社社会事業年表の作成について、今後は完成に向けて内容の精査・統一のための編集作業を進めていく。また、「同志社関連新聞記事スクラップ集成」等の比較データと突合させ、年表記載データに漏れが無いかの確認作業もあわせて行っていく事に決定した。
                                                       以上


開催日時2017年10月21日 14時~16時
開催場所寒梅館会議室1B
テーマ「京都看病婦学校関係の同窓会機関誌について」
発表者岡山寧子氏(同志社女子大学看護学部長)
研究会内容 同志社大学・同志社女子大学などの各部局や学外機関にバラバラに所蔵されている京都看病婦学校同窓会機関誌について、各号の所蔵状況、正式タイトル、発行年月日、号数、発行元などを整理して示し、合わせて、1893年に同志社病院によって刊行された『おとづれ』全3号と、1901~1911年の同窓会発行『おとづれ』1~10号までの内容を紹介する報告がなされた。産婆学校の機関誌、あるいは産婆学校との合同機関誌であった時期についても明確にされた。
 巡回看護婦制度、日清・日露戦争下の従軍看護婦養成など、本校の看護史上の意義についても指摘された。
 討論では、ベリーによる記事をめぐる『七一雑報』との関連、佐伯理一郎の意向や意識、会誌を発行した人物や教員たちなどについても、活発に意見が交わされた。紹介のあった集合写真に写る人物や校舎の考定も行われた。並行して、看病婦学校関連の資料所蔵状況に関わる情報も交換された。
 なお、報告内容については、同氏が最近公にした「京都看病婦学校同窓会機関誌の発刊と記述内容――『おとづれ』第1巻1号~第2号10号(1901~1911年)から――」(『同志社女子大学総合文化研究所紀要』第34号、2017年)、「The Doshisha Hospital Messenge 京都同志社病院機関誌『おとづれ』―第1~3号(1893年)の記述内容―」(『同志社看護』第2巻、2017年)にも一部紹介されていることが付言された。
 京都看病婦学校を卒業して京都帝国大学医科大学に勤めた不破ユウ関連の資料など、京都大学にも看病婦学校研究に有意義な関連史料が多数所蔵されることが予想されるため、まずは京都大学医学部の医学資料館を訪問してみることの意義も最後に確認された。


開催日時2017年8月28日 14時~17時30分
開催場所同志社大学渓水館 社会福祉学科資料室
テーマ「竹中勝男のキリスト教社会事業―概念構成と思想をめぐって―」
発表者梅木 真寿郎 氏
研究会内容内 容
A.標記テーマの件
 1.
梅木氏発表
研究発表と同題の論文を、梅木氏は『キリスト教社会問題研究』誌第66号に寄稿(査読中)されており、同論文原稿並びに別紙レジメをもとに、発表がなされた。なお発表は論文全体をなぞるのではなく、論点を絞ってなされた。その主な論点は以下の通り。
・竹中の「社会」観とキリスト教観の変遷
・竹中と「社会的基督教(社基)」との関係
・竹中における「マルクス主義」の位置
つまり竹中の社会事業論の基底にあった、キリスト教と社会との関係論における思想を中心に発表がなされた。
 2.
質疑・感想等
・竹中の「社会主義的な」(実用的、シカゴ学派的)側面へ注目した点は興味深い。
・ラウシェンブッシュ紹介に関連し、「社会的福音」と「キリスト教社会主義」とは(「社会的基督教」も)文脈や内容が異なり、要注意では。
・竹中は戦時下国家の戦争に従属する厚生事業論を展開していくが、そのようになる竹中のキリスト教社会思想の弱点は何だったか、という視点は問題の焦点(のひとつ)だろう。
・竹中は生き方にある種の美学を求めた。小倉襄二は、竹中が戦後政治家へ転じたのは、戦時中の転向に対する竹中なりの責任の取り方と分析。
・竹中の同志社での学歴。予科から本科へ。当時の神学部の位置づけは要確認。1921年3月は「専門学校令による大学」の最後の卒業式か。
・モラヴィア兄弟団や再洗礼派への言及に、賀川豊彦との接点のひとつがあるのではないか。

B.協議事項
 1.
『同志社社会事業史年表(未定稿) 幕末~昭和戦前・戦中編』の件
各自作業経過を報告、課題を共有し今後につき相談、以下決定した。
●各自の作業完了を期する日:9月30日(土)
●訂正稿送付先:
 ・人物ごとの多寡を調整することを意識する。
  D列。詳しすぎる項目をカット、例えばその人物の子の出生や親の死亡など。
 ・少ない列(E~J)を積極的に補充する。
 ・作業範囲は1945年まで。
 ・訂正はすべて赤字フォントで加筆する。
●上をもって未定稿2とする。
●さらに改訂を加え未定稿3を出す。
●未定稿3をもとに2年後(2019年度)に完成、公刊する。
 2.
住谷悦治関連の件
DVD版日記閲覧の感想を共有したが、方針決定には至らず。また群馬の住谷文庫を訪問調査した2人(李氏・遠藤氏)から報告を聞いた。
●引き続き各自のテーマに沿い、日記や文庫、群馬の教会等を調べ、成果が得られたら例会で発表いただき、それを受け第二研究全体でテーマを共有し進められるか検討する。

開催日時2017年6月30日 10時30分~14時
開催場所群馬県立図書館
テーマ「住谷(悦治)文庫」概況調査
発表者
研究会内容内 容
 群馬県立図書館所蔵の住谷悦治資料群「住谷文庫」概況調査をおこなった。
<経緯>
 このたび人文研本体によって、元同志社総長、創設以来長年にわたるCSの代表者でもあり、同志社社会事業史を語る上でも欠かせない住谷悦治氏が生前に書き続けた日記原本をご遺族から借り出し、DVD化する事業が行われた。5月例会では、この「住谷悦治日記」につき今後の扱い等を検討した。そのさい、別個に日記数年分を所蔵する住谷氏の郷里・群馬の県立図書館からもそれらを借用し、合わせて画像化することが望ましいとの意見が出た。また、同図書館所蔵の住谷悦治資料すなわち「住谷文庫」(『住谷文庫目録』参照)の全容を概観しておくことも、今後の研究にあたって必要と考えられることが確認された。その後日記については、幸いにも人文研がご遺族の了解の下に同図書館から借用し、追加のDVD化作業が速やかに実施された(1926、1936、1951、1975、1981年分の計5冊)。同作業が終了したのを機に、図書館に日記を返却し謝意を伝えに赴くとともに、文庫全体の調査をおこなうべく、現地例会を催した。
<文庫の概要>
 受入当時(1989年)の職員・森村方子氏はすでに退職されていたが、現図書館員の関口裕子氏から文庫の受入・整理過程と現状(所蔵や活用の実態)について解説を頂戴した。書籍・雑誌・紀要類から書簡・自筆書付類、さらにアルバムにいたるまで、「トラック2台分」という遺族の寄贈資料が、閉架電動書庫ならびに貴重書庫に整理・分類されていることが判った。プライバシーの観点から目録に反映されていないが同志社史に深く関わる資料も多数含まれる。
<今後>
 次回例会では「日記」の精査をするか否か、するならばどのようにするかを協議するが、その次第によっては今回概況調査を踏まえた「文庫」内の再調査が必要となる展開もありうる。研究会メンバー個別にとっても、今調査で同文庫が整然と分類され「使える」状態にある、というイメージを共有することが可能となった。その点において、今回の例会には大きな意義があった。
                                                       以上


開催日時2017年5月22日 18時30分~20時30分
開催場所啓明館2階 共同研究室A
テーマ①『同志社社会事業史年表(未定稿)幕末~昭和戦前・戦中編』合評会、並びに今後の作業の
 すすめかた相談
②「住谷悦治日記」DVD版の経緯・概要紹介(田中智子氏より)
発表者田中智子 氏
研究会内容出席者数:8名
出席内訳(以下敬称略):ゲスト講師;田中智子(京都大学大学院教育学研究科)
第二研究メンバー;木原活信、李善惠、今堀美樹、梅木真寿郎、近藤裕樹、
松倉真理子、遠藤浩
内 容
①合評会、並びに今後の作業のすすめかた相談
 以下のような意見が交わされた。
  ・生年のみあって没年が未記入の人物あり。
  ・各人物担当者の思い入れが反映し、記述の深浅にばらつきがある。
  ・最重要人物と重要人物、さほどでもない人物などのあいだで記述バランスをとる必要もあ
   る。
  ・「日本キリスト教史」の列は細部にわたり過ぎており、重要事項と同志社関連事項ていどに
   減らすべき。
 協議の結果、今後の作業は以下のごとく決定した。
  ・近日中に、最終ゲラ版のWordデータを全員に配信する。
  ・各人物担当者により生没年確定~記入をする。
  ・上記の「バランス」を考慮し、各担当者が修正をかける。
  *原則データ入力(赤字)、紙冊子への赤字記入も可。
②「住谷悦治日記」DVD版の経緯・概要紹介
 田中氏から当該日記入手からDVD化への経緯説明があり、紙資料と画像映写によりその内
 容(概要)についても紹介があった。その後これをどのように扱ってゆくか意見交換があり、第二
 研究として以下の作業をおこなうこととした。
  ・当面、おのおの興味関心領域から年代を決め、8月例会までに各人がDVD版約1年分を閲
   覧する。*日記DVD版には「ない」年代もあり、要注意。
  ・閲覧してみての内容に関する印象などをもとに、8月例会で再度意見交換し今後の作業方
   針を確定する。