こちらに共通ヘッダが追加されます。
  1. 人文科学研究所ホーム
  2.  > 部門研究会の活動
  3.  > 研究会の活動報告
  4.  > 研究会の活動報告一覧

研究会の活動報告一覧

第15研究 京都のくらしと「まち」の総合研究
研究代表者:西村 卓(経済学部)


開催日時2017年7月1日 14時~17時30分
開催場所啓明館共同研究室A
テーマ「都心回帰」時代における伝統都市「まつり」の維持・継承
大都市圏居住者のパーソナル・ネットワーク
発表者1.得能 司
2.吉田 愛梨
研究会内容 代表からの新年度の挨拶と参加者の自己紹介・欠席メンバーの紹介がなされたのち、報告へと移った。(参加者10名)
 報告者は、本研究会事務補助の得能司氏と、同研究員の吉田愛梨氏であった。
 第1報告者の得能氏からは、「『都心回帰』時代における伝統都市『まつり』の維持・継承――京都・祇園祭・山鉾町・菊水鉾町の実践を事例に」と題して、「マンション建設に伴い新住民が急増した菊水鉾町における祇園祭の維持・継承」に関して書かれた昨年度の卒業論文についての報告が行われた。報告では、菊水鉾町において、マンション住民も祇園祭に参加できるようにと、新たに賛助会員制度が設けられるなど、新旧住民のフォーマルな関係づくりが行われたのち、賛助会員でなくても参加できる祭事への勧誘など、インフォーマルな関係づくりも進められてきたことが紹介された。報告者は、地縁組織である町内会と祭縁組織である保存会の連関を、双方の運営基盤である構成員からのみとらえていたが、参加者からは、財政基盤からの視点の抜け落ちが指摘された。
 第2報告者の吉田氏からは、「大都市圏居住者のパーソナル・ネットワーク―大阪市中央区・豊中市千里ニュータウン・ 京都市東山区六原学区での質問紙調査結果より―」と題して、「現代日本の大都市圏における中年期・高齢期女性の社会関係」に関して書かれた修士論文についての報告が行われた。報告では、従来から焦点が当てられてきた親族・近隣・職場・友人の4つの社会関係に加えて、市場や行政といった視点を取り入れ、都市度の異なる大都市都心と郊外、農村との地域間比較のデータが示された。そして、地域・年齢を問わず、一番身近な親族(特に他出子)が大きな意味を持つとともに、都市では友人との関係も重要なことが示され、未婚率の上昇によりその傾向が強まることが示唆された。報告者は、大都市都心では利用可能な資源の充実度から市場を重視する傾向があると仮説を立てていたが棄却され、都市度だけでなく社会階層の影響可能性が示唆された。参加者からも、社会階層による違いが指摘されたとともに、他出子の人数の違いなどのサンプリングの限界も示された。