'23年12月5日 更新
同志社大学人文科学研究所第108回公開講演会を開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。
現在、日本は言うまでもなく、韓国、中国などの東アジア諸国において、事業や家業の継承が極めて重要な問題となっている。従来、この問題に関しては「事業」(ビジネス)の側面に焦点が当てられ、その背後にある「家族」「社会的制度」「事業に関連する技術や技能、後継者(経営者や職人)の職業継続」などの関連に関する研究は非常に少ない。しかしながら、事業や家業の継承問題は、その背景にある諸因と切り離すことは困難であり、文化的、宗教的要素なども含めて、これらを総合的に捉えていかなければ、現実の問題解決への道筋をつかむことすら不可能である。この問題に対して、人文科学研究所第21期第5研究会では「伝統産業における事業・制度・技術の継承に関する日・中・韓比較」を研究課題として、社会学、経営学、文化人類学等の学際的観点から、そして中国、韓国、日本の研究者による国際的視点から焦点をあてようとする試みを行っている。本プロジェクトの構成員は、すでに国内外において多くの業績を発表している国際・学際研究の経験者である。本プロジェクトの独自性は、このように対象を深堀りする上で、多くの隣接分野の研究者が集まった重層的な視点から調査研究を進める点にある。本講演は、まさにこのような国際的・学際的視点から、東アジア諸社会の家族企業と事業承継をめぐる共通性と多様性について検討するものである。
近年、家族企業の事業承継問題は、世界中の多くの国・地域に共有される重要課題となっているが、なかでも特に喫緊の社会的課題となっているのが日本を含む東アジアに他ならない。このエリアの諸社会に共通するのは、高度経済成長期に産声を上げた企業の創業世代が近年大挙して引退の時を迎えており、事業承継問題が大量かつ急激に発生している、ということである。このようにエリア全体で共通点がみられる一方で、より詳細にみると、各社会の事業承継問題の実態は「似て非なる」ものであり、それぞれの文化的背景や近代化経験の違いを考慮しない議論は避けるべきであろう。事業承継問題の起こり方と対策のあり方、さらには事業承継をめぐる当事者の思考・行動様式は、それらを取り巻く社会構造のなかに埋め込まれているのではないか、と我々は考えている。
本講演では、家族企業の事業承継という複雑構造に対する独自の研究枠組み(経営学+社会学)を示したうえで、東アジア諸社会(具体的には日本・中国本土・台湾・香港・韓国)での10年以上にわたるフィールドワークの成果から抽出した8つの企業ケースを紹介するとともに、本研究の暫定的な到達点とさらなる発展可能性について述べる。
河口 充勇 帝塚山大学文学部教授
洪 性奉 就実大学経営学部講師
Zoom参加:事前申込要
申込フォーム
申込締切: 12月20日(水)
皆様のご参加をお待ちしております。
講演テーマ
東アジアの家族企業と事業承継-その共通性と多様性-
現在、日本は言うまでもなく、韓国、中国などの東アジア諸国において、事業や家業の継承が極めて重要な問題となっている。従来、この問題に関しては「事業」(ビジネス)の側面に焦点が当てられ、その背後にある「家族」「社会的制度」「事業に関連する技術や技能、後継者(経営者や職人)の職業継続」などの関連に関する研究は非常に少ない。しかしながら、事業や家業の継承問題は、その背景にある諸因と切り離すことは困難であり、文化的、宗教的要素なども含めて、これらを総合的に捉えていかなければ、現実の問題解決への道筋をつかむことすら不可能である。この問題に対して、人文科学研究所第21期第5研究会では「伝統産業における事業・制度・技術の継承に関する日・中・韓比較」を研究課題として、社会学、経営学、文化人類学等の学際的観点から、そして中国、韓国、日本の研究者による国際的視点から焦点をあてようとする試みを行っている。本プロジェクトの構成員は、すでに国内外において多くの業績を発表している国際・学際研究の経験者である。本プロジェクトの独自性は、このように対象を深堀りする上で、多くの隣接分野の研究者が集まった重層的な視点から調査研究を進める点にある。本講演は、まさにこのような国際的・学際的視点から、東アジア諸社会の家族企業と事業承継をめぐる共通性と多様性について検討するものである。
近年、家族企業の事業承継問題は、世界中の多くの国・地域に共有される重要課題となっているが、なかでも特に喫緊の社会的課題となっているのが日本を含む東アジアに他ならない。このエリアの諸社会に共通するのは、高度経済成長期に産声を上げた企業の創業世代が近年大挙して引退の時を迎えており、事業承継問題が大量かつ急激に発生している、ということである。このようにエリア全体で共通点がみられる一方で、より詳細にみると、各社会の事業承継問題の実態は「似て非なる」ものであり、それぞれの文化的背景や近代化経験の違いを考慮しない議論は避けるべきであろう。事業承継問題の起こり方と対策のあり方、さらには事業承継をめぐる当事者の思考・行動様式は、それらを取り巻く社会構造のなかに埋め込まれているのではないか、と我々は考えている。
本講演では、家族企業の事業承継という複雑構造に対する独自の研究枠組み(経営学+社会学)を示したうえで、東アジア諸社会(具体的には日本・中国本土・台湾・香港・韓国)での10年以上にわたるフィールドワークの成果から抽出した8つの企業ケースを紹介するとともに、本研究の暫定的な到達点とさらなる発展可能性について述べる。
講師
竇 少杰 立命館大学経営学部講師河口 充勇 帝塚山大学文学部教授
洪 性奉 就実大学経営学部講師
コメンテーター
李 志満 延世大学校経営大学教授司会
藤本 昌代 同志社大学社会学部教授お申し込み方法
会場参加:事前申込不要Zoom参加:事前申込要
申込フォーム
申込締切: 12月20日(水)
- 主催/
- 同志社大学人文科学研究所
同志社大学人文科学研究所第108回公開講演会を開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。
現在、日本は言うまでもなく、韓国、中国などの東アジア諸国において、事業や家業の継承が極めて重要な問題となっている。従来、この問題に関しては「事業」(ビジネス)の側面に焦点が当てられ、その背後にある「家族」「社会的制度」「事業に関連する技術や技能、後継者(経営者や職人)の職業継続」などの関連に関する研究は非常に少ない。しかしながら、事業や家業の継承問題は、その背景にある諸因と切り離すことは困難であり、文化的、宗教的要素なども含めて、これらを総合的に捉えていかなければ、現実の問題解決への道筋をつかむことすら不可能である。この問題に対して、人文科学研究所第21期第5研究会では「伝統産業における事業・制度・技術の継承に関する日・中・韓比較」を研究課題として、社会学、経営学、文化人類学等の学際的観点から、そして中国、韓国、日本の研究者による国際的視点から焦点をあてようとする試みを行っている。本プロジェクトの構成員は、すでに国内外において多くの業績を発表している国際・学際研究の経験者である。本プロジェクトの独自性は、このように対象を深堀りする上で、多くの隣接分野の研究者が集まった重層的な視点から調査研究を進める点にある。本講演は、まさにこのような国際的・学際的視点から、東アジア諸社会の家族企業と事業承継をめぐる共通性と多様性について検討するものである。
近年、家族企業の事業承継問題は、世界中の多くの国・地域に共有される重要課題となっているが、なかでも特に喫緊の社会的課題となっているのが日本を含む東アジアに他ならない。このエリアの諸社会に共通するのは、高度経済成長期に産声を上げた企業の創業世代が近年大挙して引退の時を迎えており、事業承継問題が大量かつ急激に発生している、ということである。このようにエリア全体で共通点がみられる一方で、より詳細にみると、各社会の事業承継問題の実態は「似て非なる」ものであり、それぞれの文化的背景や近代化経験の違いを考慮しない議論は避けるべきであろう。事業承継問題の起こり方と対策のあり方、さらには事業承継をめぐる当事者の思考・行動様式は、それらを取り巻く社会構造のなかに埋め込まれているのではないか、と我々は考えている。
本講演では、家族企業の事業承継という複雑構造に対する独自の研究枠組み(経営学+社会学)を示したうえで、東アジア諸社会(具体的には日本・中国本土・台湾・香港・韓国)での10年以上にわたるフィールドワークの成果から抽出した8つの企業ケースを紹介するとともに、本研究の暫定的な到達点とさらなる発展可能性について述べる。
河口 充勇 帝塚山大学文学部教授
洪 性奉 就実大学経営学部講師
Zoom参加:事前申込要
申込フォーム
申込締切: 12月20日(水)
皆様のご参加をお待ちしております。
講演テーマ
東アジアの家族企業と事業承継-その共通性と多様性-
現在、日本は言うまでもなく、韓国、中国などの東アジア諸国において、事業や家業の継承が極めて重要な問題となっている。従来、この問題に関しては「事業」(ビジネス)の側面に焦点が当てられ、その背後にある「家族」「社会的制度」「事業に関連する技術や技能、後継者(経営者や職人)の職業継続」などの関連に関する研究は非常に少ない。しかしながら、事業や家業の継承問題は、その背景にある諸因と切り離すことは困難であり、文化的、宗教的要素なども含めて、これらを総合的に捉えていかなければ、現実の問題解決への道筋をつかむことすら不可能である。この問題に対して、人文科学研究所第21期第5研究会では「伝統産業における事業・制度・技術の継承に関する日・中・韓比較」を研究課題として、社会学、経営学、文化人類学等の学際的観点から、そして中国、韓国、日本の研究者による国際的視点から焦点をあてようとする試みを行っている。本プロジェクトの構成員は、すでに国内外において多くの業績を発表している国際・学際研究の経験者である。本プロジェクトの独自性は、このように対象を深堀りする上で、多くの隣接分野の研究者が集まった重層的な視点から調査研究を進める点にある。本講演は、まさにこのような国際的・学際的視点から、東アジア諸社会の家族企業と事業承継をめぐる共通性と多様性について検討するものである。
近年、家族企業の事業承継問題は、世界中の多くの国・地域に共有される重要課題となっているが、なかでも特に喫緊の社会的課題となっているのが日本を含む東アジアに他ならない。このエリアの諸社会に共通するのは、高度経済成長期に産声を上げた企業の創業世代が近年大挙して引退の時を迎えており、事業承継問題が大量かつ急激に発生している、ということである。このようにエリア全体で共通点がみられる一方で、より詳細にみると、各社会の事業承継問題の実態は「似て非なる」ものであり、それぞれの文化的背景や近代化経験の違いを考慮しない議論は避けるべきであろう。事業承継問題の起こり方と対策のあり方、さらには事業承継をめぐる当事者の思考・行動様式は、それらを取り巻く社会構造のなかに埋め込まれているのではないか、と我々は考えている。
本講演では、家族企業の事業承継という複雑構造に対する独自の研究枠組み(経営学+社会学)を示したうえで、東アジア諸社会(具体的には日本・中国本土・台湾・香港・韓国)での10年以上にわたるフィールドワークの成果から抽出した8つの企業ケースを紹介するとともに、本研究の暫定的な到達点とさらなる発展可能性について述べる。
講師
竇 少杰 立命館大学経営学部講師河口 充勇 帝塚山大学文学部教授
洪 性奉 就実大学経営学部講師
コメンテーター
李 志満 延世大学校経営大学教授司会
藤本 昌代 同志社大学社会学部教授お申し込み方法
会場参加:事前申込不要Zoom参加:事前申込要
申込フォーム
申込締切: 12月20日(水)
- 主催/
- 同志社大学人文科学研究所