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第4研究 伝統産業における事業・家族・制度・技術の継承に関する日・中・韓比較 研究代表者:藤本 昌代(社会学部)
本研究会は、日本、韓国、中国などの東アジア諸国において、伝統産業のみならず、いろいろな産業で現在、重要な問題になっている事業や家業の継承について、事業活動の背後にある文化的・制度的要素(宗教、家族、雇用制度、慣習、分業、職業等)や社会構造などの影響、アクター間の関係性など、複合的要素によって起こる現象を明らかにすることを目指している。従来、この問題に関してはビジネスの側面に焦点が当てられてきたが、その背後にある「家族」「社会的制度」「事業に関連する技術や技能、後継者(経営者や職人)の職業継続」なども大きく影響していると考えられる。そのため、本研究会では、この現象の分析に対して社会学、経営学、文化人類学などの学際的な研究者によって研究活動を行う。
2025年度
開催日時 | 第1回研究会 2025年6月14日 17時~19時 |
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開催場所 | 中央大学 茗荷谷キャンパス |
発表者:テーマ | 三井泉:「About this project」 山内勇気:「家業を継承するとはなにか」 藤本昌代・池田梨恵子・郭文静:「伝統産業における技術に関わる事例報告」 池田梨恵子:「産地形成におけるデザイン・技法の多様性と同業者間での協働の役割:波佐見焼の継承事例から」 藤本昌代:「酒造業における杜氏の技術の『正統性』の多様性」 郭文静 :「酒造業における文化的事業による継続」 李志満・洪性奉:「Family Business in Korea: Reality and Challenge for Sustainability」 住原則也:「台湾のスモールビジネスの継続と『伝統市場』物理的・社会文化的環境の整備と経営」 |
研究会内容 |
6月14日のGBAS学会終了後、17時~19時に研究会を開催した。
今回の研究会では、各研究者による学会報告を踏まえ、経営理念や事業承継に関する議論が行われた。これに対して、廣山謙介先生からは歴史学の立場から、市川文彦先生からは日仏比較の国際研究の立場から、出口竜也先生からは観光学・地域経営学の立場から、それぞれ専門的なアドバイスや知見を提供され、研究を促進される有意義な交流の場となった。 |