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第16研究 アメリカ文学におけるintersectionality, interdisciplinarity, intertextualityの諸相 研究代表者:白川 恵子(文学部)
本研究は、アメリカ文学および文学研究の多義的特性を反映し、境界越境的・横断的な読みの提示を試みる。研究課題が示す通り、その際の理論的バックボーンとなる概念を、交差性、学際性、関テクスト性と措定している。植民地代から現代までの事象を分析対象として、アメリカ文学/文化/歴史を共時的かつ通時的に扱いながら、これら理論の単体援用を超えて、複合的に混交させつつ特定テクストを論じた場合、いかなる読みが新たに生まれるのかを考察し、共有するのが、本研究の目的である。個々のアイデンティティや社会的立ち位置の重層性、異なる複数学問領域の結節点、多様な媒体/テクスト間に見出せる意外な連関性を、文字通り交差させながら、個々の研究者が任意の対象を分析・解釈し、それをさらに包括していく行為は、従来の権威的主体によって階層化された構造に疑義を唱える異階層性の概念に基づき、テクストを再評価していくことにもなるだろう。