このページの本文へ移動
ページの先頭です
以下、ナビゲーションになります
以下、本文になります

第13研究 多元的なリスクをめぐる個と共同性に関する学際的研究―移民・難民・災害避難民を軸に研究代表者:王 柳蘭(グローバル地域文化学部)

在日外国人や災害脆弱者を対象に日常に人々が抱えるリスクを把握し、そのうえでのセーフティネット構築の在り方を調べ、さらに、災害を視野にいれた非日常における自助・公助について、人類学・地域研究と防災学による学際研究をおこなう。その特徴は①これまで海外で調査してきた東南アジア研究等の知見をいかし、多様化する日本での東南アジアの移民の課題とニーズを引き出しいくこと、②防災リスクとの接続とその脆弱性(防災研究)―「災害への備え」をキーワードに、防災まちあるきや防災ワークショップなどの実施で外国人を地域住民に接合していく仕組みを一緒に住民と考える。こうした防災と地域研究の学際研究を外国人住民を含めた調査を行うことによって、多世代多文化を包摂した災害リスク対応型の持続可能な地域社会への提言とモデル化をおこなっていく。第20期第13研究ホームページ-外部サイト

2021年度

開催日時 第5回研究会・2022年3月8日
テーマ ゲイ当事者のケアマネジャーが追及する、釜ヶ崎でのゲイコミュティの繋がりを求めて
発表者 梅田政宏(株式会社にじいろ家族)
開催日時 第4回研究会・2022年2月17日
テーマ 大阪における多文化インクルージョンの試みと課題
発表者 安平浩(一般社団法人いくのもり)
開催日時 第3回研究会・2021年11月26日
テーマ NPOにおける多文化共生の実践—亀岡を事例に
発表者 児嶋 きよみ(オフィス・コン・ジュント)
開催日時 第2回研究会・2021年10月5日
テーマ ベトナム技能実習生をめぐる諸問題
発表者 川越道子
開催日時 第1回研究会・2021年6月13日
開催場所 オンライン開催(Zoom)
テーマ 人文研科学研究所第99回公開講演会
多文化な日常における防災 ―『いつも』と『もしも』をつなぐ
  1. 外国人コミュニティと災い ― コロナ禍の八幡モスク
  2. 災害時における外国人の避難をめぐる課題
  3. 災害時の外国人のボランティアは積極的な防災になりうる
  4. 『外国人』とは誰か ―日常の出会い・災害時の出会い
  5. 日常と災害をつなぐために ―各地の取り組み事例から
  6. 司 会
発表者
  1. ラムザン・ミルザ(京都八幡モスク・イスラミックリサーチセンタージャパン)
  2. 阪本真由美
  3. 李仁子
  4. 内田晴子
  5. 小山真紀
  6. 王柳蘭

2020年度

開催日時 第3回研究会・2021年1月29日 19時~21時
開催場所 オンライン開催(Zoom)
テーマ 技能実習生への防災アプローチを考えるために
発表者 内田晴子
開催日時 第2回研究会・2020年12月15日 19時~21時
開催場所 オンライン開催(Zoom)
テーマ 災害時における外国人と北海調査について
発表者 阪本真由美
開催日時 第1回研究会・2020年11月10日 17時~19時
開催場所 オンライン開催(Zoom)
テーマ
  1. 昨年度の研究成果の概要と今後の方向性
  2. 日常と災害をシームレスに繋ぐ多文化共生社会のための現状把握と要因抽出
発表者
  1. 王柳蘭
  2. 小山真紀

2019年度

開催日時 第5回研究会・2019年11月29日~12月1日
開催場所 岐阜モスク、多文化防災ネットワーク愛知・名古屋、名古屋モスク、
岐阜大学
テーマ 岐阜市・名古屋市における外国人と防災の取り組みに関するヒアリング
防災リーダー育成講座
発表者 共同調査 岐阜市、名古屋市
研究会内容 ①2019年11月29日於・岐阜モスク、イマームへのヒアリング、②2019年11月30日、於・多文化防災ネットワーク愛知・名古屋と名古屋モスクへのヒアリング。合計3か所のヒアリングでは、名古屋市において防災を軸に、外国人や宗教的マイノリティの当事者から、独自の取り組みや、行政や日本人社会との関わりの実情を聞き、意見交換を行った。マイノリティ当事者による主体的な防災ネットワークが名古屋では活発化していることが分かった。③2019年12月1日「防災リーダー育成講座」の実践、於・岐阜大学(小山真紀担当)
開催日時 第4回研究会・2019年11月8日~9日
開催場所 兵庫県 高砂市役所、神戸市 人と防災未来センター
NPO日本語ひろば岡本
テーマ ①兵庫県高砂市・神戸市における外国人と防災の取り組みに関するヒアリングと研究会
②外国人と防災に関する研究の最前線
日本語教室の現状と課題に関するヒアリング
発表者 阪本真由美、楊梓、共同調査 日本語ひろば岡本
研究会内容 ①2019年11月8日高砂市役所国際交流課と危機管理課にてヒアリング、於・高砂市。外国人の流入人口がふえるための対策と課題について今後取り込むべき方向性が提示された。②「外国人防災に関する研究の最前線」、於・神戸市人と防災未来センター、2名の発表により、災害に向けたリスクの多元的構造的要因を諸外国の事例から比較することの重要性と日本における外国人防災の実例を熊本地震における実践とその課題が示された。

2019年11月9日、神戸市にあるNPO日本語ひろば岡本を訪問した。高齢者による草の根ボランティアとしての日本語教室と技能実習生受け入れの増加にともない、持続可能なNPOの運営が問われており、政府主導による日本語教室の金銭的支援の必要性が示された。
開催日時 第3回研究会・2019年6月29日
開催場所 岐阜県 ハートフルスクエアG中研修室
テーマ 大垣市と可児市における外国人と防災の取り組みに関する研究会
発表者 三輪健治、桐山知弘、林昭義(大垣市役所職員)
伊藤美枝子(清流の国ぎふ女性防災士会)、各務眞弓(可児市国際交流協会)、藤村祐子(可児市防災の会)
研究会内容 ①「大垣市における外国人防災対策の現状について」、②「可児市国際交流協会における取り組みについて」、③「可児市における外国人を考慮した地域の防災について」、④「大垣市における外国人を考慮した地域の防災活動について」と題する4名の発表があった。フィリピン人や中国人等の定住化のなかで行政が外国人を巻き込んで防災意識を高めていくための施策の現状と課題、その一方で積極的に外国人主体の防災活動を展開しているNPOの活動が紹介された。当該問題への対応に地域差が顕著に表れていることが浮き彫りになった。
開催日時 第2回研究会・2019年4月27日
開催場所 姫路市
テーマ 姫路における在日ベトナム人、コリアンと日本人の共生と防災
発表者 共同調査 姫路市
研究会内容 防災ワークショップの実施にむけて、姫路市内の自治会、ベトナム人寺院を訪問し、住民へのヒアリングを行った。さらに近隣地域の外国籍者の集住状況について把握するべく、姫路市の在日コリアンの在住者に自治会との関わりや周辺住民の関係についてもヒアリングを行った。
開催日時 第1回研究会・2019年4月13日 13時00分~18時00分
開催場所 同志社大学 良心館RY437
テーマ 多元的なリスクをめぐる個と共同性に関する学際的研―移民・難民・災害避難民を軸に
発表者 小山真紀(岐阜大学)、杉本篤子(「やさしい日本語」有志の会)
研究会内容 本研究会の目的は、在日外国人や災害脆弱者を対象に日常に人々が抱えるリスクを把握し、そのうえでのセーフティネット構築の在り方を調べ、さらに、災害を視野にいれた非日常における自助・公助について、人類学・地域研究と防災学による学際研究をおこなうことにある。第1回の研究会では、研究メンバーの自己紹介とともに、今後の研究の方向性を相談する機会をもったうえで、2人の発表者からの報告があった。
①小山真紀「日本の地域防災のしくみ―なぜ外国人との地域防災が進まないか、何ができるか」
小山氏の専門は地域防災学であり、1995年の阪神・淡路大震災がきっかけで研究を開始した。主な研究テーマは死傷者発生メカニズム・人材育成・地域の防災対策などであり、清流の国ぎふ防災・減災センターで、地域の防災人材育成と防災力向上に取り組んできた。1)地域防災は誰が担っているか?と問題提起があり、詳細なデータの提示ののち、地域防災がうまくいくかどうかは地域住民次第であることが強調された。つぎに2)外国人と地域防災についての話題が提供された。
②杉本篤子「外国籍住民向け防災教育の中での気づき」
杉本氏は災害時に外国人被災者へ正確な情報を伝える一つの方法として開発された「やさしい日本語」を軸に京都を中心にコミュニティでの実践活動を行ってきた。外国人にむけた防災講座、防災教育を草の根レベルで展開してきた一方で、外国人を担当する行政窓口がバラバラであることが課題解決を困難にしていることが指摘された。地域防災という場合の「地域」のなかに、外国人を視野に入れた活動が求められること、そのためには日常的なコミュニケーションによる蓄積が重要であることも指摘された。
 防災研究と地域研究による合同研究会であり、活発な意見が交わされた。今後の共同研究にむけて議論と意見交換をさらに進めていく予定である。